70〜80歳代のインフルエンサーに学ぶ情報発信の極意
集落でお世話になっている、とある大先輩は驚くほど人脈が広い。SNSなど使っていないのに彼らの周りには多くのステキな人が集まる。そして東京や大阪広島など都市に出れば知合いがたくさんいる。どうしてそんなに人脈があるのか聞いてみて驚いた。
聞けば年間1,000通手紙を書いているらしい。やりとりのある人1人1人文通をしているのだ。たまげたと同時にふと、SNSという道具の危うさを感じた。我々はいとも簡単に他人と「とりあえず繋がる」ことはできるありがたい世の中だ。でもそのつながりの「メンテナンス」をだいぶサボってはいやせんか?と。
人との繋がりとは、1人1人との心の通ったやりとりであり、相手の顔を思い浮かべるやりとりの積み重ねであって、フォロワー数やインプレッション、PV数などというもので計測できるものではない。大切なものを見失ってはいけないと。
フォロワーを増やすコツや、バズるには、という情報があちらこちらに転がっているが、それだけだとただの数字増やしゲームにすぎない。「ご縁のある人との繋がりを1つ1つメンテナンスする」この積み重ねが積もり積もって振り返って人脈となるのだと思う。
島に来て気づけたことなのですが「SNSなどやらなくても商売繁盛しているお店やリピーターの途絶えない事業主」「スマホを持っていないのになぜか知り合いが多い人生の大先輩」が当たり前に身近におり、人との繋がりとは、情報発信とはSNS以外にもたくさん、沢山あるということ。
ネットで情報発信をしたり、時に広く届けるという技術も必要だとは思う。けれど、前述してきた「誰でもできるけれど誰にでもできるわけではない人との繋がりの作り方、メンテナンスのしかた」こそ、「SNSが発達した今学ぶべき情報発信」なのではないだろうか。
これは、わしがどんなに時間がかかろうとひじきを買って下さった方にお手紙を書く理由。1人1人のお名前や顔、最近の様子などを思い浮かべながら筆を走らせる。名前も顔も知らなかった人も何度かリピートしていただくうちに何だか親しみが湧いてくる。そういった繋がりを地道に大切にする人生でありたい。
「やりとりしているAさん、Bさんの人生や、暮らし、立場を想像する時間」これが現代社会で失われている豊かさであり、過疎地に行けばいくほど残っている大切な営みであるとも思う。余白や非効率さ、というのはやはりわしは残した方が良いと思う日々なのです。
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