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小売店の売上高は「面積あたり」で考えるべし!売上アップに繋がる分析方法とは

(4)勉強・自己啓発

この記事を読んだあなたは小売店分析マスターになれます、という内容です。個人商店を営んでいらっしゃる方にとっても、集めたデータで何を分析すれば良いのか、という点が簡単に分かります。是非”ご賞味”ください。

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先日「20日30日5%OFF♪」の例の店に買い物へ行った時のこと。

「当店は〇〇エリアで店舗No.1です!」との看板が目に入りました。消費者にアピールしたいのは分かりますが「売り場面積が全然違う”あの店”や”この店”と比較しても意味ないですよ」と声を大にして言いたくなったのです。

「店舗あたりの売上高」で小売店を比較するとどうなるか

経済産業省の「商業統計」によれば、店舗あたりの売上高の業種別比較は上のグラフの通り、百貨店と総合スーパー(イオンのような大型スーパー)が群を抜いており、続いて専門スーパー(食品スーパー)と続きます。

・・・当然でしょ。と思ったそこのあなたは非常に鋭いです。そうです、売り場面積が広ければその分1店舗あたりの売上高が大きくなるのは当然。個人商店のオーナーさんも、1店舗あたりの売上高でイオンに勝てなくても別になんてことはないですよね。

つまり、売上高の比較を行うためには、「売り場面積あたり」に分解しないと有意な比較はできないのです。

自分の店の売上高を客観的に分析したい場合は条件を統一しよう!

面積あたりの売上高(坪効率)で比較する方法

上のグラフは、売場面積1㎡あたり年間販売額の業種別比較です。先ほどの1店舗あたりよりも差が小さくなっていることがお分かりいただけるでしょうか。面積あたりにすることで、「店舗の大小」の要素を除いて売上を分析できるのです。

3.3㎡あたりに直した「坪効率」という数字での比較もよく行われるので、覚えておくと良いでしょう。

・・・これでもまだ分析甘くない?そう思った方はさすがです。そうです、扱っている商品の基本的な単価構造が違いますから。例えば百貨店と食品スーパーの面積当たり売上高は感覚的に違うことはわかると思います。では、どのように分解すれば良いのでしょうか。

売上高は必ず「数量×単価」で読み解くべし。売上が下がった要因は数量?それとも単価?

先程の例で言えば、百貨店は販売する商品の単価が高い=それだけ面積あたりの効率は高くなる。あるいは、食品スーパーは百貨店よりも販売数量が圧倒的に多いかもしれません。しかしながら数字を見ると、売上の効率では百貨店が優っています。

これは、スーパーの販売数量が多い、という要素に比べて、百貨店の販売商品単価が高いことが売上高に寄与している割合が大きいということを表すのです(ちなみに百貨店の方が一見売上効率が高いカラクリがあるのです。詳しくは後述)。

当然それぞれの業態にはそれぞれの得意、不得意があるので一概に百貨店の方がすごい!とは言えません。

あなたの店はどのモデルと比較すべきか、数量×単価に分解して考えてみるとより考えるべきポイントが明確になってきます。数量単価分析はこの他にも「客単価×来店客数」という切り口からも確認すると有意なデータが得られます。そして客単価は「1品単価×購入数量」に分解できることを覚えておくと良いでしょう。

単位分析には「時間」の概念も加えるべき

「売り場面積あたり」で分析することは重要。では、24時間営業のスーパーと、12時間営業のスーパーではどちらが売り場面積あたりの売上高が高くなりますか?当然24時間営業のスーパーですよね。

つまり、「営業1時間あたりの面積あたり売上高」をみることでより詳細な比較分析ができるのです。

単位分析は他にも方法がある!従業員一人あたりでどのくらい稼げていますか?

従業員一人あたりでどのくらい売上高を稼いでいるのか、という指標です。少ない人数でより高い収入が確保できていればそれだけ効率的に営業できていることになります。1店舗あたりの売上高が高くても、実は従業員あたりでみると効率が悪かった、なんていう店も結構多いのではないでしょうか。

単位分析は売上だけ見ていても片手落ち

そういえば先程、百貨店の売場効率が良いように見えるのはカラクリがある、と言いました。店舗がある立地と賃料水準についても考慮しなくてはなりません。百貨店は駅前の一等地にある場合も多く、賃料・土地代が高い分人が多く来る(数が多くなる)構造にあるのですね。

この辺りになってくると、「面積あたりの利益」で比較する必要が出てきます。小売店の分析は、とにかく全ての損益計算書項目を面積あたりにしてみることから出発すると言っても過言ではないですね。

小売店の売上分析方法まとめ

  • 売上高は、面積あたりで比較すべし
  • さらに面積あたり売上高は、時間あたりで比較すべし
  • 売上高は、数量×単価に分解することで有意な分析ができる
  • 客単価×来店客数を調べることで増収・減収の詳しい要因が分析できる
  • 客単価は「1品単価×1人あたり購入数」で説明できる。客単価が下がった時の対策が取れる
  • 費用や利益の単位分析も実施すべし

このように、売上分析には基礎となるデータが必要になります。

どのように来店した顧客のデータを集めて売上効率を分析するのか、というところも店長の腕の見せ所かもしれませんね。

商店の分析のみならず、普段の生活においても売上(収入)の分解は有意です。あなたの給料も、働いた時間×単価に直してみると面白いことが起きるかも?

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さかえる

さかえる

銀行辞めて田舎で収入の柱を複数持って“合わせ技”で生きてる33歳。限界集落で島暮らしを楽しみながら、ひじき漁や畑からWeb・動画・講演までこなす現代の「百姓」です。沖家室ひじき生産・加工・情報発信及びカスタマーサポート担当。

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