多拠点生活のデメリットをあえて言及してみる話
いま地方移住や田舎暮らしのメリットが多くの人に理解されるようになってきた。
「まずは2拠点、多拠点で生きる!」という人が増えたことはすごくステキなことだと思う。
一方で、地域にとって重要な場面でそういった人は「結局地域住民でない」ことがある。
誰かが気付かぬうちにやっていること
住んでいる場所のメンテナンス(具体的には草刈り、水路の掃除など景観を守ること)や、災害など助け合いが必要な場面において、人がいない大変さたるや。
人は本来的に助け合わねば生きていけぬ弱い生きものだ。モノやサービスが豊かになり「誰かが気づかぬうちにやってくれている」ことが増えている。
特に都市部と田舎を行き来していると、生活拠点を自分でメンテナンスする、ということにイメージがつきにくく、自分ごとになりづらい。
多拠点も結構であるが、その拠点を日々メンテナンスし、住み心地の良い状態に保っている人が実はいるのだ。そういったことに気づけるとさらにステキであると思う。
きょうは梅雨前に集落の河川清掃(溝掃除、ドブさらい)!水路に詰まった落ち葉やドロなどをスコップでひたすら掻き出しました。ちょうど明日から1週間まるまる雨予報なのでいいタイミング。自分たちの暮らしを自分たちで守る重要イベントです。
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— さかえる(榮大吾)|ひじき漁師 (@sakaeruman) May 28, 2023
例えば、集落の河川清掃。梅雨の前に集落を流れる水路の詰まりがないか点検し、草刈りをしたり溜まったヘドロを掻き出したり水路に生えた雑草を除去したり。これを疎かにすると土砂災害につながりかねない本当に重要な集落のイベントです。住んでいる場所は自分達で守るのです。
足りないのは、拠点をメンテナンスする人
どんなに集団から人が減ろうが、良いところだけつまみ食いしてサッと他の拠点に移ってしまう人と、自分だったら信頼関係は築けるのだろうか、という点をイメージしてみると分かりやすい。
スポーツの試合に例えると、試合にだけ参加する人と準備から日々の雑務まで面倒なアレコレまでやる人、というもの。
拠点をメンテナンスする人が減ると結果的に2拠点居住や、多拠点生活のように多様なライフスタイルが実現しにくい世の中になってしまう。 「良いとこどり」も楽しいけれど、長い目で見ると「面倒ごとを引き受けてみる」というスタイルも積極的に推奨していきたいと思っている。
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