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自治体のICO(Initial Coin Offering)による資金調達が生み出す可能性

都市圏に人を吸い取られ、疲弊する地方。高齢化率は上がり続けても現役世代は減り続けています。

子供が生まれても明るい未来が見通せない。

「限界」という文字がチラつきはじめた自治体の起死回生の策を提案します。ズバリ「自治体ICO」をきっかけにヒト・モノ・カネの流れを活発にすることです。

ICO(Initial Coin Offering)とは

証券会社のHPにある定義を引用してみました。「証券会社など金融機関を仲介しないため、手数料を抑え機動的に資金調達できる」…とあります。証券会社自分でめちゃくちゃ自虐してますね。網掛け枠内の太字は筆者が追記した部分です。

仮想通貨を活用した資金調達で、略称はICO(Initial Coin Offering)。

企業などが独自に発行した仮想通貨をインターネットを通じて個人など国境を跨いで不特定多数に直接販売することで資金を集める。新規株式を発行して資金調達する新規株式公開(IPO)に対し、ICOは証券会社など金融機関を仲介しないため、企業などは手数料を抑え機動的に資金調達できる。投資家は受け取った仮想通貨を企業のサービスに利用するほか、需給次第で値上がり益が期待できるというメリットがある。一方で、IPOのように厳密な審査や上場基準などがないため信用リスクが高く、仮想通貨自体の流動性が低いため価格が乱高下しやすいなどのデメリットもある。

(野村証券HPより抜粋)

企業は社債を発行することで資金調達を行いますが、国は国債を、地方自治体は地方債を発行して投資家から直接資金を集める方法を既に持っています(この「地方債」の仕組みが地方自治体の財政の闇でもあるのですが)。

つまり、企業がICOを実施できるとするならば、地方自治体もICOを実施できる可能性を十分に持っているということになるのです。

ICOによる資金調達のメリット

結論から言えば、大きく分けて3つのメリットがあります

  • ❶国境を越えた資金調達ができる
  • ❷独自のトークンエコノミー(経済圏)を形成できる
  • ❸世界中からの注目の的となり地域がブランド化する

調達手段の多様化が実現!国境を越えた資金調達ができる

資金調達を行いたい場合、通常は、❶銀行から資金を借りる、❷債券発行により投資家から直接調達する方法などがあります。

しかしながら、基本的にその地域での法定通貨を扱う金融機関とのやりとりが発生します。借入は銀行や信用金庫、債券発行時も仲介機能を有する証券会社が間に入ります。

つまり、従来の方法では投資家が限定されてしまう(=安定的に資金提供を受ける余地が国内に限られてしまう)ということに加え、手数料もふんだんに取られます。

日本は比較的金融先進国なので国内市場だけでも十分に金融市場が機能していますが、仮に日本国債のリスクが発現した場合「関連記事>>いつまでドーピングを続けるの?日本銀行の異次元緩和政策を振り返る」や、災害発生時などに備えて海外からの調達手段を増やしておくことは自治体の資金繰りを安定させるに当たった必要不可欠なことと言えるでしょう。

国家的危機まで行かずとも、民間企業では常に「調達手段の多様化」は気にしているポイントです。仮に今までの調達先が資金を融通してくれなくなったらどうするの?という命題について、企業の財務担当者は必死になって頭を悩ませるものです。

困ったら総務省と財務省が何とかしてくれる?そんな心構えだから財政がいつまで経っても赤字で、将来世代へ借金を先送りにし続けてるんじゃないですか?

真に価値ある地域通貨?独自のトークンエコノミーを形成して交流人口を増やそう

地域通貨のメリットは、その地域内でのお金の流れを活性化(特定の地域での流動性を飛躍的に効率化)する効果が期待されることです。

高齢世帯に眠っている現預金資産を、資金を必要としている現役世代に循環させることができれば、世の中にもっと面白いサービスが沢山生まれると思います。

下図の通り、現在の日本の家計に占める現預金の割合は欧米と比べて非常に高い割合になっています。このうち余った現預金をいかに次世代に回していくか、というポイントが地方を活性化する上で欠かせない発想になってくるのではないでしょうか。

例えば「トークン」と呼ばれる仮想通貨を発行することで地域内での報酬を明示し、地域内のボランティア活動へ参加することへの対価として支払う、といった形が考えられます。

地域の活動に対して労働力を提供した人の報酬が明確化されることで、地域としても労働力が確保でき、労働力を提供する側としてもメリットがある状況になります。

世界中から注目の的!地域のブランド力向上により外国人観光客や若手移住者が増加するかも

世界中から資金調達が可能になるということは、全世界向けに情報発信をして投資家にアピールをしていくことになります。

資金調達主体の紹介のみならず、資金の使途(何に何の目的で使うのか)、将来像、などなど、あなたの自治体をアピールする格好の機会です。

全世界のファースト・ペンギンになってみませんか?新しいものに取組む組織に刺激を受けた人や組織がこぞってその土地を訪れ、地域の観光資源が潤うでしょう。大挙して人が押し寄せた時に備えて、ICOで調達した資金を観光に投入する、なんということも面白いかもしれません。

国内初のICO検討事例!岡山県西粟倉村

エストニアが国家として世界初のICOを検討開始することが話題となりましたが、実は日本でも岡山県の村がICOを検討しています。プレスリリース文からの抜粋を掲載しておきますね。FinTechベンチャー連合軍と中国地方の村が挑む、一大プロジェクトです!

西粟倉村は人口約1,500人、村の面積の約95%を森林が占める地方自治体で、「百年の森林構想」を軸とする林業六次化や、地域起業支援事業である「ローカルベンチャースクール」など独自の地域活性化施策に積極的に取り組んできました。

今後もこのような分野への投資を継続し持続可能な地域づくりを実現するため、このたび民間事業体と共同で自治体ICO導入の研究に着手し、村の新たな財源としての自治体ICOの可能性を検証する運びとなりました。

地域通貨の発行が地方創生の施策として全国的に注目されている中で、西粟倉村は自治体ICOによる資金調達でこれまでにない資金の流入と循環を促すという手法の可能性を探り、広域での認知を向上させながら従来以上にチャレンジが創発されやすい地域づくりを目指してまいります。

「参考記事>>岡山県西粟倉村、地方自治体ICO導入に向けた共同研究に着手」

「参考記事>>人口約1,500 人の岡山県西粟倉村が行う新たな資金調達 日本初、地方自治体による地方創生ICO の実施を決定」

ICOの課題とは

ズバリ「法規制が明確になっていないこと」です。債券発行であれば金融商品取引法対象となり、金融庁の監督管理下になります。投資家保護を図るためですね。一方新しい枠組みであるICOは未だ規制についての整理が明確になされていません。

金融庁「ICO(Initial Coin Offering)について ~利用者及び事業者に対する注意喚起~ 」にて、投資家への注意喚起がなされるとともに、場合によっては金商法や資金決済法の対象となり、仮想通貨交換事業者として登録が必要になる可能性があります。

機動的な資金調達手段として注目されているだけに、筆者個人的にはあまり規制を最初から強める方向にはしないでもらいたい、と思っています。

金融庁「仮想通貨交換業等に関する研究会」にて議論が進んでいくことが予想されますので、動きを注視して行きましょう。

ヒト・モノ・カネの流動性が上がれば、その地域の価値が上がる

いろんなものの流れが活発になると、その地域の魅力はグングン上がっていくと思います。規模が大きく意思決定の遅い自治体よりも、規模は小さくても機動力ある組織ならそれが実現できるかも?

  • 新たなヒトの流れができれば新たな発想が生まれやすくなり、
  • 新たなモノの流れができれば新たなサービスが生まれ、
  • 新たなカネの流れができれば、世代間の格差が縮小してより若者が明るい未来を見通せるかもしれません

関連記事>>技術や情報の価値が上がる世の中。本当に価値があるのは「流動性」だと歴史が証明している!」でも紹介していますのでぜひご覧ください。