「証券会社3.0」の流れがきた!手数料無料のスマートプラスで株式投資をはじめよう。
金融とITを融合させたFinTech。時代の流れが大きく変わりつつあります。アメリカではリーマンショックを端緒としてシリコンバレーを中心にスタートアップ企業がこぞって既存の金融に代替するような技術を続々と開発しています。日本でも金融をITを組み合わせ、今まで成し得なかったことにチャレンジしようとしているベンチャー企業があります。
FIBC(Financial Innovation Business Conference)というFinTech分野で最も歴史のあるイベントにて今年度受賞した注目のベンチャー企業の「スマートプラス」を取り上げました。FIBCでは、過去あの有名な「マネーフォワード」や「FOLIO」も受賞しています。
東大発FinTechベンチャー「株式会社スマートプラス」
2017年冬、証券業界に衝撃が走ります。 「AI投資信託に全部お任せで良いの?FOLIOで自分の応援したいテーマに投資をしながら資産形成」で解説したFOLIOが誕生してから間もないですが、今度は「株を変える。ゼロから変える。」をコンセプトとし、なんと手数料無料を謳うFinTechベンチャーが誕生しました。第一種金融商品取引業者への登録も完了し、株取引モバイルアプリ「STREAM(ストリーム)」を2018年4月に公開しています。
なぜ手数料が無料にできるのか
期間限定のキャンペーンで手数料をゼロにしている場合はありますが、常に手数料をゼロにしたのは、ストリームが日本初と言われています。また、SOR(スマート・オーダー・ルーティング)により、東京証券取引所(東証)で売買するよりも有利な価格で売買を成立させる「SMART取引」という仕組みを採用しています。
「SMART取引」の仕組み
通常、個人投資家含む多くの人は「東京証券取引所」を利用します。SMART取引では、その東証だけではなく、市場外の取引の価格も参考にして値決めをするのです。そのように取引所を通さず、投資家の注文を証券会社がダイレクトに結びつけて成立させる取引のことをダークプールといい、一般的に外資系証券会社を中心とした機関投資家やヘッジファンドが主な参加者担っています。大口同士の直接の取引になるため、通常取引所で約定するよりも有利な価格で取引ができるのですね。
手数料が無料になる仕組み
SORを利用することにより、東京証券取引所で約定するよりも有利に取引できた場合のみ、その一部が手数料になります。簡単にいえば、取引執行時に有利に約定できたら、その分一部だけちょうだいね、ということです。
SORとは、複数市場から最良の市場を選択して執行する形態の注文のことです。株式注文を受けた時点で有利であると判断された価格で約定を行うことができるものを言います。
株取引モバイルアプリ「STREAM(ストリーム)」とは
スマートプラスが提供するアプリで、以下のようなメリットがあるようです。
- コミュニティで株が楽しくわかる(銘柄掲示板などのSNS機能)
- 取引のアイデアがすぐに見つかる(ニュースとコメント機能)
- アイデアを得たらサクッと取引可能(シンプルでわかりやすいデザイン)
色々な人の意見を聞きつつ、手触り感ある情報をもとに取引の判断ができるようです。また何より、取引画面がシンプルで操作性が良いことは投資のハードルを大きく下げるのではないかと思っています。簡単な操作であれば、Amazonで買い物をするように気軽に取引ができるかもしれないですね。
これまでの証券業界の課題
これまでの証券取引は取引ツールが複雑なため、初心者には投資に関して心理的な参入障壁が存在していることが大きな問題でした。ひと言でいうと「手触り感のなさ」が原因だと思います。加えて、購入までのプロセスが分かりにくく、初心者に抵抗感を覚えさせてしまう気がしています。
- 自分が何に(どこの企業、金融商品)いくら投資しているのか分かりにくい
- 「分散」とはいえ、目論見書(投資信託の説明書)を見ても分かるのは上位10先のみ
- しかも、上位10先が分かるとはいえ、めちゃくちゃ分散しているので中身が分からない
- 投資までのプロセスが最初は非常に複雑に感じる
こういった課題を解決すべく、スマートプラスは大きな理念を掲げて挑戦しているのですね。
SNSが公開!まずは投資に関する情報を気軽に得てみよう
現在はSNS機能だけですが、すでに色々な投資ノウハウがシェアされており、SNSのやりとりだけで面白いです。有益な情報を発信した人にはコミュニティポイント(※)が付与される仕組みになっています。
コミュニティポイントとは、STREAM内の他の会員と比較して、どの程度かを見える化したのがソーシャルステータスであり、積極的に参加するほど株取引の際に優遇が受けられるメリットがあるようです。筆者も事前登録の上、サービス開始を今か今かと待っている状況です。
まとめ
日本の証券取引を変える可能性のある「スマートプラス」。SNS機能により投資情報の収集にも役立ちそうですので、是非登録の上、今後の動向を注視してみてはいかがでしょうか。一方で、SNS機能については良い事ばかりではなく、あなたのことを騙そうとしてくるような人も紛れ込んでいることは常に意識しておいた方が良いかもしれませんね。
対面取引が「証券会社1.0」、ネット証券の誕生により「証券会社2.0」、今回のスマートプラスやFOLIOは、今まで投資をしたことがない人を新たに投資へ招待する「証券会社3.0」とも言える大きな一歩なのではないでしょうか。
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