無形資産であるブログの価値が上がっていく?仮想通貨の上昇にみる無形資産への投資と「本当に価値あるもの」について
か‐ち【価値】
- その事物がどのくらい役に立つかの度合い。値打ち。「読む価値のある本」「価値のある一勝」
- 経済学で、商品が持つ交換価値の本質とされるもの
- 哲学で、あらゆる個人・社会を通じて常に承認されるべき絶対性をもった性質。真・善・美など。
デジタル大辞泉
「数年前にビットコインの価値に気づけていれば…」 投資家であれば誰もが考えることではないでしょうか。
投資の成功は、世の中の誰よりも早くその価値に気づき、その時点における「価値あるモノ」と前もって交換しておくことで、値上がり益を受け取ることができることです。
皆が夢見る投資家としての成功を手に入れるために「そもそも価値ってなんだっけ?」ということを考えてみたいと思います。
ゴールドラッシュの時に成り上がったのは金(GOLD)を掘った人ではなく、ジーンズを作った人であり、スコップを売った人であるというのは有名な話です。さて、仮想通貨の値上がりに伴って最も価値を蓄えることは誰になるのでしょうか。
BTCホルダー?XRPホルダー?企業においては、仮想通貨の交換所がやブロックチェーンを活用した企業が良い思いをしているのは周知の通りです。
仮想通貨界の盛り上がりによって最も価値を蓄えたのは、仮想通貨ブログや情報サイト(とその周辺産業。例えばサーバー提供者やドメイン販売業者)だと筆者は思っています。
そして仮想通貨界隈から目を転じたとしても、これから10年、15年程度は、形あるものから無形資産(カタチの無いもの)に「価値」が移っていくのではないかという仮説を持つに至ったのです。
そもそも「価値」とは何に基づくものなのか
道義的価値は一旦脇に置きましょう。さて、経済学では、有用性(つまり「使えるか使えないか」)により価値は決まると言われています。その前提では、価値は主に次の2種類に分類されます
- 生きていく上で「直接的に使える」使用価値(食料、土地、資源)
- 他の「使えるものとの交換に使える」交換価値(お金、金融商品)
みなさんが真っ先に思い浮かべる投資とは、「交換価値を将来的に今より沢山持っておける」ように行うものではないでしょうか。
投資における成功とは「将来的により高い価値」を手に入れること
冒頭でも述べたとおり投資における成功とは、誰よりも早く価値に気づき、その時点における「価値あるモノ」と前もって交換しておくことで、将来的に「より高い交換価値」を受け取ることができることだと筆者は感じています。
つまり、自分が「価値あるもの」を手に入れる時に「将来的なことを考えるとこっちで持っていた方がいいかもな」と思うものに投資するのです。
例えば、値上がり利益を狙ってシロガネの不動産を買うのは、「日本円を持っているよりも、シロガネに土地を買った方が将来の自分にとってさらに高い交換価値をもたらす」と思うからです。
お金の交換価値は、「使用価値にあまり価値がなくなっている段階」で価値を持つ
仮に5年後に地球上から食べ物がほとんどなくなるとしたら、多額の現金よりも食料が欲しいと思うのは想像に難くないと思います。
基本的な使用価値である「衣・食・住」を満たすために本来交換価値(円などの通過)はあるのですから。
古来より「価値あるもの」は有形(カタチのあるもの)だった
人類は豊かな土地を求めて戦争を続けてきました。それは、豊かな土地が生きていく上での使用価値MAXな「食料」に繋がるからです。
そして、使用価値あるものを手に入れる手段だったお金は人々の信用に基づいているとはいえ「形あるもの」でした。
私たちは自然と「手に取れるもの、触れるもの」に価値を勝手に憑依させて考えていたのです。
しかし時代は移り変わり、交易権を求めて貿易戦争が起こり、サイバー攻撃が起こり…価値あるものは次第に無形化していく傾向にあります。
交換価値あるものは、今後全て電子化されていく
生きていく上で必要な形あるものについては、すでに多くの人が普通に生きていくだけで手に入るような世の中になりつつあります。
この先に見えるものは何か。より生活が便利になり、豊かになるような技術や情報に交換価値が出てくるのではないかと思うのです。
電子化が進んだ世界では、「流動性」に価値がある
『技術や情報の価値が上がる世の中。本当に価値があるのは「流動性」だと歴史が証明している!』にて解説した通り、流動性のある人や資産はそれだけで他と差別化されるため、価値があるのです。
電子化することのメリットとして、いつでもどこでも価値が交換できるようになり、価値が上がっていきます。
電子化することで中古市場が生まれやすくなり、中古市場が生まれると流動性が飛躍的に上がる
中古市場が生まれることで流動性は飛躍的に上がる例として、自動車市場があります。ニーズがある車種は古いものでも高値で売れるということは、人々がその資産に交換価値を認めていることになります。
そうした中古市場が発展することで、その商品は新品のみならず中古でも評価できることになり、多くの人の手に渡ることになるのです。
航空機や、航空機のエンジンなどはそのよい例ではないでしょうか。新興国で使われた新型機材が中古市場で出回り、中古市場での評価方法が確立されてきたため安心して中古品も取引できる。そうなると今まで新型機材など到底買えなかった新興国の航空会社が数年落ちで新型機材を手に入れることができるのです。
新品ではその資産を手に入れることができなくても、中古市場が発展し、流動性が高まることでその資産を簡単に色々な層の人が手に取ることができるようになるということは、資産の流動性が上がり、それだけ交換価値が上がるということですよね。
電子化された資産は譲渡しやすい=流動性がある
例えば債権。A銀行からB社に貸した資金は「契約書」に価値が保存されています。これを電子化することで債権譲渡がより行いやすくなりました。債権譲渡する場合でも、わざわざ紙の契約書を渡す必要がなくなったのです。
「日本円」で考えても、ネットバンキングサービスが登場したことで、今まで対面か書留で送らなければならなかった現金ですが、一瞬で遠方の人にお金を振り込むことが可能になりました。窓口に並ぶ必要もなし。
国債の売買や貸し借りも、昔は数億円の額面がある債券をアタッシュケースに入れて実際に渡したり受け取ったりしていたそうですね。考えただけでゾッとしますが嘘のようで本当の話です。当然今は国債のみならずあらゆる債券が電子化されて受け渡しの手間が減りました。
手間が減ったことによりお金の流動性が高まったのですね。
つまり、手間を削減して流動性を高めるために価値が無形化していくということです。
資産を無形化することで交換価値が上がるということですね。
野菜が欲しければ仮想通貨を差し出す、土地が欲しければブログを差し出す。やりとりは全て電子データ。そんな世の中になるかもしれません。一万円札から仮想通貨へ、土地やマンションからブログへ。
価値あるものは形を持たなくなっていくのではないでしょうか。
50年後に価値あるものは何か
これから十数年間は様々なものが電子化されていくことでますます無形資産の交換価値が着目される世の中になっていくでしょう。
一方で、限りある地球上の資源を考えると、水や食料という本来的な使用価値に回帰していくのではないかと思っています。
まとめ
今後、価値あるものは、
- 人々の生活の不満を解決する技術や情報といったカタチが無いもの(十数年単位)
- 生命を維持していく上で必要な食料含む資材(四半世紀単位)
この2つに収斂していくと思っています。結局ひと言でいえば、価値とは「その時代に人々から必要とされるもの」ということですね。
20年後30年後に周りの人が何を必要としているのか、世界が何を欲しているのか、考えるだけでワクワクします。
投資家とは今ある交換価値を使って、将来の交換価値・使用価値を追求していくドリーマーなのかもしれませんね!
ちなみに筆者は情報技術、食料(虫食、人工肉)、宇宙開発に着目しています。
あなたはどんなものに「価値」を見出しますか?
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